具体的なCBT(認知行動療法)のやり方、治療の流れ、注意点について: 臨床心理学用語集.com

2014年05月15日

具体的なCBT(認知行動療法)のやり方、治療の流れ、注意点について

CBT(Cognitive Behavioral Therapy;認知行動療法):

認知行動療法とは
 この療法は、認知療法とほぼ同義であり、人の認知や考え方に働きかけてそれらを社会的に、または自分のために修正してしく心理療法の一種である。様々な精神疾患に対し有効とされているが、特にうつ病に対して効果的といわれている。その人の認知のゆがみ、不適応な行動などを直して社会的にも現実的にもストレスとならない適応的な考え方・行動を身に付けていく。最近は日本でも保険がきくようになり、テレビや雑誌などでもよく目にするようになった。


認知の歪み
 人は世界を自分の目でしか確認することが出来ないため、どんな事実や出来事も自分のフィルターを通して受け入れている。
 人の話しを聞いても、結局は自分の頭で考えるので、他人から言われたことを100%そのまま鵜呑みにすることは出来ない。自分の中で考えたことはその人が持つフィルターの形によって変わっていき、その結果、怒ったり笑ったり、悲しんだり喜んだりなどの感情が出現する。

 しかし、もしこのフィルターが少し壊れていたり偏ったものとなっていたら、考えや認知が歪んでしまい、その結果、感情にも辛いものやネガティブなものが増えかねない。

そこで利用するのが認知行動療法である。


治療対象
 最近は、昔より様々な精神疾患が取り上げられるようになってきた。日本はヨーロッパやアメリカと比べて臨床心理が遅れているが、震災による影響や自殺者の増加により様々な心理的なケアの必要性が言及されてきた。その中でもこの認知行動療法の対象となっている疾患や症状は以下の通りだ。

◇うつ病
◇不安障害
◇PTSD
◇心身症
◇怒り
◇ストレス
etc...

疾患に適用する以外にも、ストレスのコントロール、心を落ち着かせる方法や自殺の予防としても利用できるので、その利用法はとても広い


大まかな治療の進め方
 認知行動療法では認知療法と行動療法を組み合わせて、宿題として各自の生活内でも自分自身で実行しながら進めていく。
 セッション内では治療者が患者のある辛い出来事に対して、別の見方、考え方を発見してその人にとって楽な考え方、生きやすい考え方、行動を治療者と協力しながら身につけて行く。

 例えば、患者さんの話を聞きながら治療者が患者と協力し、具体的にどんな問題が存在するか、何がストレスとなっているか、何がそのストレスの原因なのかを共にリストアップして共有し、認知の歪みや思い込みなどを発見していく。そして、どのように治療していくかをお互い協力しながら、宿題などを課して週に一回16週間ほど続けて進めていくのが特徴的である。


観察するべきポイント
 この心理療法は、ある程度患者の確認すべきポイントが決まっている。そのようなステップを「アセスメント」という。アセスメントとは、相手の認知的または行動的な状態および社会的状況やサポート源を分析していく作業のことである。

◇調べること・聞くこと◇
どの段階にいるかによって聞くことが変わっていくが、全体を通して具体的に次のような事柄を治療では聞いていく必要がある。
‐どういう場面で問題が起きるか?
‐どんな気分になるか?
‐その気分の強さはどれくらいか?(パーセンテージで表してもらう)
‐何がストレスの元となっているか?
‐どんな自動思考があるか?
‐その人のスキーマは何か?
‐問題の原因となっている行動は何か?

 

協力と様々な治療のアプローチ
 そして、様々な状況や問題が浮かび上がってきたら、実際に患者と話し合いながらずれた考え方を修正したり、心理教育を行ったり認知の修正を試みていく。
 時には日々の自分の考えたことを紙に書き出してもらうよう宿題を提示したり、1週間の間にどのようにして新しい考え方を応用したか書いてもらったり、その場で問題場面を想定して解決へのシミュレーションをしたりなど、様々な形で歪んだ認知や行動の修正を試みる。


注意点: 
 しかし、その人が考えていることはあくまでその人にしか分からないので、患者が素直に自分の考えている事を話さない限り考え方の修正は難しい。もしくは、患者自身が自分の考えや感情に気付いていないと話す内容が本当にその人の認知なのか分からない為スムーズに治療が行かない事もある。
 つまり、相手の性格や考え方のパターン、癖などもきちんと見極めて、しっかりとした信頼関係を結んでおかないと正しい情報が得られないのである。


まとめ
 認知行動療法とは割りと最近確立されてきた心理療法である。その為、実際に使いこなせる人はまだ日本では少ない。しかし、これまでの心理療法の中でもエビデンス(科学的な証明)に基づいて出来た治療なので、やり方やこつを覚えれば治療にはとても有効とされている。
 興味がある人は本やネットでもそのやり方は紹介されているので、是非とも認知行動療法とはどのようなものなのかを知って日ごろからストレスの少ない生活を送って頂ければと思う。



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posted by Phycoman at 09:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理療法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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